動物園は、動物を見るだけの場所ではありません。
種の保存、教育、調査・研究、レクリエーション。京都市動物園は、四つの役割を担いながら、時代に合わせた取り組みを続けています。
その始まりは1903年。市民から寄せられた多額の寄付金と市費をもとに、日本で2番目の動物園として開園しました。「市民の皆さまとともに」という考えは、120年以上がたった現在も受け継がれています。
今回は、京都市動物園が歩んできた歴史、「近くて楽しい」動物園づくり、動物たちがその動物らしく暮らすための工夫、国内で唯一行われているゴリラの認知研究、そしてEAGER BEAVERとのコラボに込めた思いについて伺いました。
写真提供:京都市動物園
1|市民の支援から始まった、日本で2番目の動物園
「市民の皆さまとともに」を、120年以上先へ
―京都市動物園は市民の支援によって誕生したと伺いました。どのようなきっかけで開園したのでしょうか。
京都市動物園:当時皇太子だった、のちの大正天皇のご成婚を記念し、市議会での審議を経て、市民から寄せられた多額の寄付金と市費をもとに、1903年(明治36年)4月1日、日本で2番目の動物園として開園しました。
―120年以上の歴史の中で、現在も大切に受け継がれている考え方や役割はありますか。
京都市動物園:市民がはじめて創った動物園という歴史的な背景から、「市民の皆さまとともに」という言葉は、現在も一つの大きなキーワードとして受け継がれています。この考えは、2020年に策定した「いのちかがやく京都市動物園構想2020」の理念にも盛り込まれています。
動物園が担う役割は、種の保存、教育、調査・研究、レクリエーションです。京都市動物園でも、時代に合わせた取り組みを展開しています。
写真提供:京都市動物園
2|「近くて楽しい」をつくる、京都市動物園ならではの距離
―ほかの動物園にはない、京都市動物園ならではの魅力を教えてください。
京都市動物園:教育普及と調査・研究を軸とする「生き物・学び・研究センター」が組織されていることです。外部助成金の獲得やアウトリーチ活動なども、特色の一つです。
また、立地やコンパクトな敷地、職員と来園者の動線が重なることなどを生かした、「近くて楽しい」動物園づくりも魅力です。
―動物たちは、開園前や閉園後など、来園者がいない時間をどのように過ごしていますか。
京都市動物園:来園者がいない時間の過ごし方については、普段は特に観察していないため、すべてを把握しているわけではありません。ただ、一部の暗視カメラでは、動物たちが眠っていたり、グラウンドで活動したりする様子が観察されています。
―動物たちが快適に、その動物らしく暮らせるように、どのような工夫をされていますか。
京都市動物園:それぞれの動物が本来の生態を発揮できるように動物舎を設計し、動物舎内には環境エンリッチメントにつながるものを設置しています。
例えば、背の高い動物が高い場所にある餌を取って食べられるようにしたり、地面に穴を掘る動物のグラウンドに土を入れたりしています。
写真提供:京都市動物園
3|ゴリラの認知研究と「京都の森」
楽しさを、動物への気づきや疑問につなげる
―京都市動物園で行われているゴリラの研究では、これまでにどのようなことが分かってきましたか。
京都市動物園:ゴリラの認知研究は、国内では京都市動物園だけで行われており、世界的にも事例が極めて少ない研究です。
研究では、ゴリラがチンパンジーと比較しても遜色のないレベルのパフォーマンスを示すことが分かっています。また、タッチパネルを使った学習のスキルが、親世代から子世代へ自発的に伝わる様子も見られました。
子どものゴリラは1歳前後になると、自ら学習に参加するようになります。チンパンジーでも、同様のことが見られています。
―京都の身近な生き物や自然を紹介する「京都の森」は、どのような場所なのでしょうか。
京都市動物園:「京都の森」は、京都の豊かな自然を伝え、人と野生動物との関わりについて学べる展示を行っている場所です。身近な自然に関する情報を展示・提供し、地域の自然環境の保全に貢献できる施設としています。
―動物園を楽しんだあと、来園者の方にどのような気づきや思いを持ち帰ってほしいですか。
京都市動物園:動物園で楽しみながら、何か一つでも動物についての気づきや疑問を持ち帰っていただければと考えています。
写真提供:京都市動物園
4|商品をきっかけに知ってほしい、動物園のもう一つの役割
レクリエーションだけではない、学びの場として
―今回、EAGER BEAVERとのコラボに取り組んでいただいた理由と、商品を通して伝えたいことを教えてください。
京都市動物園:EAGER BEAVERとのコラボに取り組むことで、これまで来園されたことのない方にも、京都市動物園の魅力を知っていただく機会になると考えました。
商品を通して、動物園がレクリエーションのためだけの施設ではなく、学習施設でもあることを知っていただき、その活動を応援していただきたいと思っています。
―最後に、商品を手に取る方や京都市動物園を訪れる方へメッセージをお願いいたします。
京都市動物園:これまで京都市動物園にお越しいただいたことのある皆さまも、商品を手に取ったことをきっかけに初めて知っていただいた皆さまも、ぜひ京都市動物園へお越しください。動物たちを近くで観察し、その「命」の輝きを感じてください。 


