コレクション: milimili × Pono

福島の津波で取り残された犬のニュースをきっかけに、個人で保護活動を始めたチョビ子さん。現在は「Cafe & Dog salon Pono」と「milimili」の2つの拠点を通じて、トリミング・カフェ・譲渡を行っています。これからは60~70代の方も犬と暮らせるよう、預かりボランティアなど犬も人も幸せになれる取り組みを広げたいと語ります。

「保護するだけじゃなく、人と犬の暮らしを繋げる場所をつくりたい」──そんな想いから始まった活動の背景や、忘れられないエピソード、そしてこれから描く未来について、じっくりお話を伺いました。

Cafe & Dog salon Pono

1. 保護活動を始めた背景やきっかけ

―― 保護活動を始めたきっかけはなんですか?

チョビ子さん:「先代の愛犬を亡くした直後、福島の津波で取り残された犬のニュースを見て…。悲しみで眠れなくて、YouTubeで保健所の子たちの動画を見るようになったんです。それで“自分にも何かできないか”と考えていたとき、ある団体のブログに出会って。まず搬送ボランティアから始めてみようと思ったら、『犬がいるから預かってほしい』と。まだ気持ちの整理もできていなかったし、親にも何も伝えていなかったんですけど、日にちが決まってしまって…。ただ、トリマーなので命を預かる責任は理解していました。なので、そのまま預かりボランティアを始めることになりました。」

―― ご自宅にワンちゃんたちを?

チョビ子さん:「はい。毎日みんな家に連れて帰っています。弟が1階と2階を何往復もして、私は小型犬を抱えて…。弟が休みの日は本当に大変です(笑)。まさに家族総出ですね。」

2. 現在、中心に行っている活動

―― 現在、どんな活動を中心にされていますか?

チョビ子さん:「トリミング、カフェ、そして保護・譲渡活動を並行しています。トリミングやカフェは、譲渡できる場所を守り、何かあればすぐに病院へ行けるように、ご寄付に頼らず活動ができたらいいなと思っていますが、現実は厳しいですね。あと力を入れているのは、高齢者の方々が犬と一緒に暮らせる環境づくりですね。」

―― 高齢の方や一人暮らしの方の譲渡は、難しいとされがちですよね。

チョビ子さん:「そうですね。60代以上、一人暮らしなどで断られるケースも多いのが現状です。私もお断りする場合がほとんどですが、これからは保護活動者も時代の変化に伴い、変わらないといけない部分があると感じるようになりました。」

「保護犬から迎えた人。今まで犬を大切にしていた方が施設に入っても一緒に暮らせるように、愛犬・愛猫と過ごせる老人ホームをしたいなと考えるようになりました。10~15年後に実現できるよう動き始めています。」

―― どんな方でも保護活動に関われる形は素敵ですね。

チョビ子さん:「“何かしたい”という気持ちがある方は多いですが、預かりボランティアは責任が重いので、気軽に参加できるチームを作りたいと思っています。得意分野を活かして関わってもらえる仕組みにしたいです。」

―― トリマーとしての活動もされているんですよね?

チョビ子さん:「はい。うちにいる子はアレルギーやハンデがある子が多いので、清潔さには特に気をつけています。その子によっては、週に一度の温浴も必要です。」

トリミングの様子

3. 印象に残っている犬のエピソード

―― これまでの活動の中で、特に印象に残っているワンちゃんはいますか?

チョビ子さん:「保健所から引き取った子なんですけど、兄弟がいたんです。でもこの子だけ“噛む”“他の子と仲良くできない”って言われて隔離されていて、譲渡も難しいと言われていたんです。」

「けど、どうしてもこの子の目が忘れられなくて…。なので、『他の兄弟たちも引き出すので、この子も一緒に保護させてもらえますか?』ってお願いして、保護しました。」

―― 連れて帰るときはどんな様子だったんですか?

チョビ子さん:「保健所の人が引っ張って出そうとしても、この子は暴れながら抵抗していたんですけど、声はまったくあげなかったんです。そのまま保健所の首輪を借りて連れて帰ったんですが、家に着いて首輪を外そうとしたら、あまりにもきつくて…。」

「外れた時にようやく『キャン!』って一声あげて…。その瞬間に、ずっと苦しい思いをしてきたんだなと思うと涙が出てきて、気がついたら一緒に泣いていましたね。」

―― 今、その子はどうしていますか?

チョビ子さん:「元気にしていますよ。今でもカフェに遊びに来てくれていて、もう7歳になったかな。」

4. 辛かったこと、続けてよかったと思える瞬間

―― これまでの活動の中で、大変だったことはありますか?

チョビ子さん:「夜泣きの介護や、生まれたての子犬にミルクを与え続けるのは本当に大変でした。“命の重さ”を強く感じましたね。」

―― 逆に、続けていてよかったと思える瞬間はありますか?

チョビ子さん:「それはもう、保護活動全般ですね。続けてきたからこそ今があります。だからこそ、周りの皆さんへの感謝の気持ちは、ずっと忘れません。」

譲渡活動の様子

5. 譲渡活動で大切にしていること

―― 譲渡にあたって、特に大切にしていることはありますか?

チョビ子さん:「譲渡に関する面だったら、年齢は60歳までとかはありますけど、やっぱり“人柄”を一番重視しています。」

「うちにいる子は何かしらのハンデを抱えている子が多いんです。私にとってハンデは“個性”。それをどう受け止めるかにその方の覚悟が見えてきます。質問内容や態度を通して“この人には託せないな”と思ったら、スパッとお断りすることもあります。」

6. 収支報告の透明性について(milimiliにて)

―― milimiliでは収支報告をしっかりされていますが、その背景を教えてください。

チョビ子さん:「収支報告は多分一番大切なんじゃないかなと思っていて。崩壊が起きた団体も、最初はきちんとしていたのに、お金が絡んでだんだん崩れていって、犬たちが不幸になる。そんなのはあってはいけないので、自分を自分で見張るためにも、レシートや領収書を添えて細かく報告しています。」

譲渡活動中の写真

7. 譲渡活動時に心がけたいこと

―― 保護活動にまだ関心がない人に伝えたいことはありますか?

チョビ子さん:「“ペットショップをなくそう”という声は多いですが、実際にはショップがある限り買う人もいます。だから、若い世代に“保護犬を迎えたい”と思ってもらえる社会になってほしいです。“保護犬もなつくんだ”“保護犬も可愛い”という現実をもっと多くの人に知ってもらいたいですね。」

8. 支援してほしいこと

―― どんな支援をしてもらえると助かりますか?

チョビ子さん:「どんな形でも支援していただけるのは嬉しいです。」

「物資支援ならマナーパンツや洗剤、フードなどですね。Amazonの欲しいものリストに載せているのでチェックしていただけるとありがたいです。チャリティーバザーも開催しているので、使用していない犬用品や新古品、生活雑貨などをご支援いただけると非常に助かります。」

読者へのメッセージ

9. 読者へのメッセージ

―― 最後に、読者にメッセージをお願いします。

チョビ子さん:「犬を迎えようと考えている方たちが保護犬から迎えやすい。そんな環境を整えていけるような保護活動をしたいなと思っています。」

10. 感想

Cafe & Salon を経営しながら、個人で保護活動を行い、動物たちのケアに多岐にわたって取り組んでいる姿を見て、「本気で動物たちの幸せを願っている方だ」と強く感じました。特に、印象に残っているエピソードを話してくださった際、涙ながらに語る様子を見て、その思いが一層伝わってきました。

また、60歳以上の方は基本的に譲渡を断る団体が多い中、Ponoさんでは70代・80代の方に“預かりボランティア”という形で関わってもらいたいそうです。保護犬だけでなく「犬と過ごしたい高齢者」の希望も叶える存在だと思いました。

さらに、収支報告もしっかりされていて、交通費や洗剤などのグレーな部分は実費でまかなっているとのこと。信頼できる団体だと感じましたし、こういった団体が支援されれば、もっと多くの動物が幸せになれると思います。

ぜひ素敵なPonoさんに足を運んでみてください。

 

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Design:

狼は仲間と寄り添いながら生きる存在。その姿を、milimili さんの“ひとつひとつの命に寄り添う活動”と重ね合わせてデザインしました。この一枚が、守りたいというやさしい気持ちを分かち合うきっかけになれば嬉しく思います。

Cafe & Dog salon Pono

📍 大阪府堺市美原区多治井42-3 2階(🅿️あり)

HP:https://milimili0301.wixsite.com/chobi(milimili)
Instagram:@chobico_0301
Instagram : @mili_katsu_ (milimili)
Instagram:@cafedogsalon_pono(Dog salon & Cafe Pono)

お店の写真

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