“一頭ずつ、一家庭ずつ” フォスター制度でつなぐ。――COKA Animal Rescueの保護活動――。

“一頭ずつ、一家庭ずつ” フォスター制度でつなぐ。――COKA Animal Rescueの保護活動――。

人と動物の距離が、少しずつ遠ざかっているように感じる今だからこそ、
「一頭ずつ」「一家庭ずつ」という向き合い方を大切にする保護活動があります。

アメリカでの経験を原点に、
フォスター制度を軸とした保護活動を続ける COKA Animal Rescue
環境問題への疑問から始まり、
動物福祉、そして人と動物がともに生きる社会へ——

今回はCOKA Animal Rescueの代表池端さんに、
活動を始めたきっかけから現在の取り組み、
現場で感じてきた課題、そして人とのつながりについて、
率直な言葉でお話を伺いました。

1,アメリカで知った保護犬と環境問題――活動の原点

活動を始めたきっかけや、背景について教えてください。

池端さんー私が保護犬という存在を知ったのは、当時アメリカに住んでいた時でした。
もともと最初に関心を持ったのは環境問題で、当時はファッション業界にいたこともあり、プラスチックゴミや動物の毛皮といった問題に疑問を持つようになったのが始まりです。

大量に消費されて作られている一方で、それが大切に扱われている背景がほとんど見えない状況を目の当たりにして、「これって本当に正しいのかな」と思うようになりました。

そこから調べていく中で、動物が適切に扱われていない現実を多く知り、犬や猫といった身近な動物ですら大切にされていない現状があることを知りました。
その流れの中で、アメリカで初めて保護犬を迎えることになったのが、大きなきっかけです。

―その時に関わった保護団体というのは、どんなところでしたか?

池端さんーニューヨークの団体で、フォスター制度を中心に活動している保護団体でした。
ニューヨークは住環境の関係で、大型犬や多頭飼育が難しい家庭も多く、フォスターさんを募って保護活動を行っている団体だったんです。

私自身もそこから初めて犬を迎えましたし、その後、預かりボランティアとして登録して活動するようになりました。

―そこから、日本で活動しようと思った理由は何だったのでしょうか?

池端さんー活動を続ける中で、環境問題への関心がより深まり、日本の現状を調べた時に、動物福祉の分野ではかなり遅れていると感じました。
動物園や水族館を含め、動物に関わる意識がまだ追いついていない部分が多いなと。

また、当時一緒に暮らしていた自分の犬に、精神的にすごく助けられた経験もあって、
「保護犬に救われる人がいるなら、今度は自分が動物のためにできることをしたい」と思い、日本で活動を始めることを決めました。

2,保健所・多頭飼育崩壊・TNR――現在取り組んでいる活動

―現在の活動について、どういうことを中心に行っているか教えてください。

池端さんーはい。保健所からの引き取りと一般市民からの相談対応、
多頭飼育崩壊の現場からの犬や猫の引き取り、
そして、できる範囲でTNRを行っています。

3「保護期間中も、暮らしであってほしい」──フォスター制度を選んだ理由

―フォスター制度はどういうきっかけで導入され、実感している効果や課題について教えてください。

池端さんーはい。先ほどお話ししたように、アメリカで自分が関わっていた最初の団体がフォスター制度を使っていたことが、導入のきっかけです。
一番大きな理由としては、保護期間中もQOLを大切にしたいという思いがあります。

効果としては、一般家庭で12匹ずつ預かってもらうことで、
今まで人と過ごした経験が少ない子たちが、人と暮らすことや生活の仕方を覚えていける点だと思っています。

シェルター形式だと、どうしてもケージで過ごす時間が長くなり、人と触れ合う時間が短くなりがちなので、そこは大きな違いだと感じています。

一方で課題としては、一般家庭に預かることへのハードルを高く感じる方が多い点と、
代表者側にある程度の知識や、対応のスピードが求められる点だと思っています。

―どういう条件を設けていますか?

池端さんー基本的には、脱走対策がされているなど、最低限の安全が確保されていることです。
あとは、その子に向き合う時間を確保できることと、連絡がまめに取れる方ですね。

4人が支える、COKA Animal Rescueの活動


―団体の魅力や強みを教えてください。

池端さんーはい。うちの団体は、いたって普通の団体だと思っています。
癖が強すぎないというか、いい意味で特別すぎない団体ですね。

一番の魅力は、ボランティアさんがとても温かいところだと思っています。
人としてそれぞれ素晴らしい活動をされている方が多く、
みなさん自発的に動けるので、それぞれが知識を持ちながら、いろんなことに取り組んでくださっています。

―そういったボランティアさんが多く集まっている理由は、何かあるんでしょうか?

池端さんー正直、たまたまな部分も大きいと思います。
私自身は、そんなに出来がいいわけでもないんですけど、
逆にそれもあって、すごく頼もしい方が多く集まってくださっているのかなと。

フォスターをきっかけに、犬の食について勉強を始めた方がいたり、
保護活動だけでなく、寄付の集め方について勉強し始めた方がいたりと、
それぞれが自然と学びを広げていく方が多い印象です。

そういう人たちの姿に影響を受けて、
新しく関わってくださるボランティアさんも前向きに動いてくださる。
その循環があるのは、団体の強みだと思っています。

5現場で感じた、支援の力とその限界


―保護活動の中で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

池端さんー良い印象でいうと、活動を始めたばかりの頃に関わった、猫の多頭飼育崩壊のケースです。
個人ボランティアの方からは10頭と聞いていたのですが、
実際には団地で55匹を飼育していて、ご本人が倒れたことで状況が明るみに出ました。

そのとき、大阪だけでなく他府県の保護団体やボランティアの方々が、
引き受け先を探すために声をかけてくださって。

保護活動は、人同士のトラブルが多いという印象を持たれがちですが、
実際には、協力し合おうとしてくれる方が本当に多いんだなと感じた出来事でした。

悪い印象でいうと、こちらも多頭飼育崩壊の現場ですが、
一軒家で100頭以上の犬が飼育されていたケースです。

飼い主の方は精神的な疾患を抱えていて、
自分の行為が犬たちに負担をかけているという認識が持てない状況でした。

そのとき、動物側だけでなく、
人を支える福祉の手が十分に届いていない現実を目の当たりにして、
私たちだけではどうにもできない問題がある、ということが強く印象に残っています。

今も大きな課題だと感じています。

6関わり続ける人たちが、活動を支える


―ボランティアさんとの関わりやいい影響があったと感じるエピソードがあれば教えてください。

池端さんーさっき少し触れたんですけど、
うちの団体は、ボランティアさん同士が自然と横のつながりを作ってくださっているのが特徴かなと思っています。

それぞれが「これに興味がある」というものを持っていて、
詳しい人と知識を共有したり、交流を深めたりすることがよくあります。

大人になると、新しく横のつながりを作る機会って減ると思うんですけど、
この団体で活動してもらうことで、
そういうつながりが自然に生まれているのは、すごくいい影響だなと感じています。

―ボランティアさんは、何人ほどいらっしゃいますか?

池端さんー今は25家庭くらいですね。
フォスターの預かりボランティアさん以外にも、手伝ってくださっている方がいます。

―預かり以外のボランティアさんは、どういった関わり方をされているんでしょうか?

池端さんーもともとは、預かりボランティアをしてくださっていた方が多いです。
今は預かりはしていないけれど、
譲渡会の手伝いに来てくださる、という形ですね。

預かりを全くせずに関わる方は基本的にいなくて、
一度しっかり関わって人となりを知った上で、
お願いする形を大切にしています。

7まずは知ることから。保護活動への最初の一歩


―保護活動をあまり知らない方に向けて、伝えたいことやメッセージがあればお願いします。

池端さんー保護活動をしている人って、
気難しい人が多いとか、こだわりが強い人が多いとか、
ネットではよく書かれているのを見かけます。

実際、人間なので、こだわりが強い人が多いのは事実だと思います。
でも、実際に関わってみると、
みんなすごく温かい人たちばかりだなと感じています。

もし少しでも保護活動に興味がある方がいれば、
まずは譲渡会に足を運んでみて、
「どんなことをしているのか」を知るところから始めてもらえたら嬉しいです。

8支援は特別なことじゃなくていい


―動物保護について知らない方や企業の方に向けて、支援してほしいことや伝えたいことがあればお願いします。

池端さんー支援については、本当に皆さんのお気持ちだと思っているので、
「これが欲しいです」とか、そういう話ではないかなと思っています。

犬猫に限らずですが、社会問題って、
興味を持った人や動いている人だけの問題として捉えられがちだと思うんですが、
本来は社会全体で取り組んでいきたいことだと思っています。

社会全体で問題提起をして、
気になった人が「自分にできることは何かな」と少し考えて、
関わっていくことが大切だと思っていて。

ほんの少しのアクションでいいので、
自分にできることを見つけて、
身近なボランティアさんや、気になる社会問題に関わってもらえたら、
それで十分だと思っています。

―動物以外の分野でも、ということですよね。

池端さんーそうですね。子ども食堂や環境問題、ゴミ拾いでもいいですし、
動物も犬猫だけじゃなくて、馬や豚を保護している方もいらっしゃいますし、
フェアトレードなども含めて、本当にいろんな形があります。

「自分には関係ない」と思わずに、
興味を持ったことに少し関わってみる。

そういう個人の方や企業さんが増えていってほしいなと思っています。

9特別な服じゃなくて、いつもの一着として

―今回のアパレルとのコラボについて、期待していることがあれば教えてください。

池端さんーめっちゃ楽しみにしています。
正直、自分でそんなに凝ったデザインをすることがないので、
どうなるのか、すごく楽しみです。

今年は、スタッフみんなで使えたらいいなと思っていて、
「これ使おう」みたいな感じで、
自然に日常の中で着られたらいいなと思っています。

10最後に、読者の方へ

―最後に、読者の方に向けてメッセージがあればお願いします。

池端さんーまだまだ発足して5年で、今ちょうど6年目に入るところの未熟な団体ではあるんですが、
もし少しでも私たちの活動に共感していただけることがあれば、
少しからでも応援してもらえると嬉しいです。
それが本当に大きな力になります。

 

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